ご挨拶

活動の様子を紹介
スペースゆう&あい  代表・青栁讓二

活動の様子を紹介 スペースゆう&あい  代表・青栁讓二

スペースゆうの「スペース」は「広場」で、「ゆう」は「友」や「遊」であり「YOU」です。子ども達はスペースゆうのことを、「ゆうは楽しい」とか、「ゆうが好き」とか言ってくれるように、よく「ゆう」「ゆう」と言ってくれます。
スペースあいの「あい」は、「愛」や「会」であり「I」です。スペースあいの子ども達も「あい」「あい」と、愛称のように呼んでくれています。
「ゆう」とか「あい」とか、子ども達だけでなく、関係する多くの方々に、親しみを込めて呼んで下さっていることがとても嬉しく、感謝しております。
さて、スペースゆう&あいのスタッフ達は、普段どんなことを考えながら、一人一人の子ども達に向かい合っているのかを、ここで紹介させて頂きます。

活動の様子を紹介 スペースゆう&あい  代表・青栁讓二

私達が子ども達を応援していく大きな目標としての方向性は、一人一人の子ども達が「自立した人生を目指して」です。
これを実現していくために、河添邦俊先生の理論<(子どもの)育つみちすじ>を主軸として、ソーシャルスキルトレーニングを導入し、各スタッフは、日頃から「四つの力づくり」を実践しています。

  1. 体の力: バランスのとれた体幹と体力づくり
  2. 心の力: 少しくらいのことではへこたれない、タフなこころづくり
  3. 社会力: 人とうまく付き合える力づくり
  4. 脳の力: 特に前頭葉を活性化して、やる気づくり

1)体の力: バランスのとれた体幹と体力づくり

①体ほぐし

来所すると、毎日必ずスタッフと1対1になって向かい合い、足の指先から頭のてっぺんまで、ほぐします。この時こそが、大好きなスタッフを独占できますし、スキンシップを楽しみ、話が弾みますから、この日楽しく過ごすための導入でもあります。

②雑巾がけ

「お掃除」ではありません。「運動遊び」です。子どもの発達の道筋で必ず通過する「四つ這い」運動です。体幹をつくっていくために欠かせない運動ですが、子ども達には「訓練」ではなく、「遊び」の一つとしてスタッフと楽しんで継続しています。

③運動遊び

天気が良ければ毎日必ず、園庭、公園などに繰り出して、遊びに夢中となって体を動かします。

(平均台)石が並んでいれば、平均台代わりとなって、バランスを楽しみながら渡ります。他の子ができると、できない子も何度も挑戦し、やがてできる時がやってきます。

(雲底)「雲底」はぶら下がるものと思っていましたが、スタッフの介添えがあれば、その上を這いながら渡っていきます。凄いです。目には見えないのに足の位置を決めていきます。

(ターザンロープ)ターザンロープも凄いです。ロープを握って、飛び上がって体を上に引き寄せて、両足を開いてロープのコブを両足で挟んで、この一連の動作を、誰に教えてもらう訳でも無く、楽しそうにできる子の真似をしながら、やれていくのです。握る力、ぶら下がる力、飛び上がる力、両足を開いてロープを挟む力、どの力も必要ですから、介添えして見ているスタッフは心配そうですが、段々できていく子が多いです。楽しくてしょうがない想い、他の子ができるから自分も・・・と挑戦して、楽しさを体験していく課程で、体幹、体力が身に付いていきます。

(ソリ)ソリ遊び。これも凄いですね。感動的なことが起こります。雪が降ると、公園の急斜面でソリ乗りを楽しみます。(公園に雪がない時はスキー場に行きます。)雪のない時期なら絶対考えられないのですが、ソリに乗りたくて、急な斜面を滑っては上り、滑っては上りを、何度も何度も繰り返しているのです。これを見ているとジーンときます。そうです。体幹をつくるのに上り坂が大切なのです。坂を足で蹴りながら上ると、下半身の骨格や筋や筋肉が鍛えられてしっかりしてきます。お尻の筋肉が付きます。するとお腹の中の筋肉が付いてきます。内臓がしっかりしてきます。本当は毎日短時間でもこの運動をさせたいのです。しかし辛い、キツい運動は誰もが嫌がります。しかし、ソリ遊びは楽しいことの方が勝つので、この運動が可能なのです。楽しいとは、キツいことは何のそのなのですね。

(鬼ごっこ)子ども達は鬼ごっこが大好きですね。公園活動ではほぼ毎回始まります。スタッフは、鬼ごっこは運動遊びの中で、かなりたくさんの総合的な力が養われる遊びであることを実感しています。逃げたり、追いかけたり、スピードを出したり、緩めたり、急に曲がったり、捕まりそうでのけぞったり、しかも各動きは全体の様子を見たり、ターゲットを絞ったり、瞬時に判断して、即行動です。鬼になりたい。捕まえたい。私を見て欲しい。私を追いかけて欲しい。という気持ちが動きます。タッチがあります。触れ合うのです。捕まえて喜んで、捕まって残念そうだけど嬉しかったりします。利用開始が間もなくの子で、人と触れ合うのが得意でない子でも、キャッキャと騒ぐ鬼ごっこが気になります。遠巻きにいます。そのうちにスタッフに声を掛けられ、スタッフと一緒に参加してみます。スタッフと一緒に逃げます。・・・これを続けていると、鬼ごっこのルールが判ってきて、徐々にスタッフなしでも参加できるようになっていきます。鬼ごっこは、子どもを総合的に育てるすごい力があります。

(その他)スタッフは、体幹・体力づくりのために、人と人との関係づくりのために、日々遊びの仕掛けを考えています。

2)心の力: 少しくらいのことではへこたれない、タフなこころづくり

笑顔はこころの窓

子ども達と向かい合っていると、笑顔はこころの窓、そんな気がしてきます。

  • いつもニコニコ、笑顔がキラキラと輝いている子は、「ゆう」や「あい」のことが大好きです。またスタッフのことが大好きです。その子がいつもと違う顔をして来所すると、笑顔が消えているのでスタッフはすぐに「何かあったな」と気づきます。
  • スタッフは、その子の笑顔から、その日のその子のこころを読み取ります。
  • 学校にお迎えに行った時、しょんぼりした顔でいる子がいます。でも大概の場合は、スタッフを見つけるとその場で機嫌が戻ったり、そうでなくとも、事業所について雑巾がけや体ほぐしが始まる頃には、誰でもいつものニコニコ笑顔に戻っていることが多いですね。

笑顔のシャワー

スタッフは何時も、笑顔を心がけています。どんな時の子ども達でも、向かい合って笑顔を降り注いでいると、その子達も笑顔を取り戻すからです。
笑顔になれると、その直前まで暗い気持ちでいたのに、それを踏ん張って気持ちを切り替えるタフな気持ちが育っていくのですね。
子ども達が笑顔を向けてくれると、今度はスタッフのこころが癒やされます。
子ども達がこころも笑顔でいられるように「シャワーのように笑顔を降り注ごう」が、スタッフ達の合い言葉です。

こころを受け止めて

一つしかないものを取り合った時、どうしてもここに座りたいと車の座席にこだわって、先に座っている子とトラブった時など、こころが固まってしまっている時、スタッフは先ず「どうしちゃったの」と声を掛けます。その状況や気持ちを聞き、正しいとか正しくないとかでなく、その子の言い分をしっかり聞いています。そして例えば「じゃあ、帰りに交替して座らせて貰おうか」と提案すると、「うん。判った」と言って解決することが多いようです。
いつもは、叱られてばかりだったけれど、自分の言い分を聞いて貰い、自分のことが判ってくれた感が得られて、素直な気持ちになれたようです。
子ども達は、話を受け止めて貰えると、こころが受け止められたと感じるのですね。
自分の言い分を聞いて貰えず、頭ごなしにダメって言われ続けると、すぐにカーッとなって、自分の我をとおすことしかできないで、人との信頼関係を構築することが、難しくなってしまうのですね。

できたことは褒め、自尊心を育みます

スタッフは、すごいなあ。褒めること探しの名人だなあ・・・と思うことがあります。

  • いつも学校の午前中、居眠りをしてしまう子がいました。ある日の放課後、学校に迎えに行くと担任の先生から、「今日から学校では眠らないことになって、実は今日は全然眠らなかったのですよ」と、報告を受けました。事業所に戻って、これを他のスタッフに報告すると、そのスタッフは即「○○ちゃん。今日は眠らなかったんだって。偉かったねえ。」と言って、ギュウッと抱きしめたのです。そして○○ちゃんは、大きな声で、頭を大きく縦に振って、自信たっぷりに「うん!」と言ったのです。他の子だったら当たり前のことなのですが、この○○ちゃんは、褒められたことがとても嬉しかったのです。
  • 真似のできない凄い絵をホワイトボードに書いては、さっとすぐに消してしまう子がいます。消す前に「良くできたー」と言っているように、自分で拍手して、そして消してしまいます。スタッフはその拍手の瞬間、タイミングを合わせて、「凄いなー。良く描けたねー」といって、拍手を合わせています。その瞬間を見逃していないスタッフに驚きます。
  • いつも褒めてくれるスタッフのことを、子ども達は大好きです。
  • そもそも「自分のことは好きではない」子どもが多いです。ですからこそ、その子達が自尊心を取り戻すまで「褒め続ける」と、スタッフ達はこころしているようです。

達成感を味わう

普段の運動遊びや、創作活動など(ダンボールでロボットをつくったり、2、3ミリのビーズを並べて作品を完成させたり)をとおして、集中してやり抜いた体験を、繰り返し味わって欲しいと応援しています。

こころが満たされると多少のことではイラつかないで、タフなこころに

各スタッフは、笑顔をシャワーのように降り注ぎながら向かい合い、その子のこころが、安心感と信頼感、達成感、受け止められ感に満たされるようになってくると、その子達は、多少のことではイラつかなくなります。タフなこころが育っていくようです。

3)社会力: 人とうまく付き合える力づくり

子ども達に、どうしたら「人付き合いのコツ」を身に付けさせたら良いか。と日々スタッフが苦心しています。
最近、スタッフ同士の言葉によく「SST」とか「ソーシャル・スキル・トレーニング」とかの言葉が飛び交っているのが聞こえてきます。
一般的には、大人になった時に必要となる、社会人としての作法や礼儀を具体的に身に付けることが大切で、それは相手を良く理解できる力を身に付けることでもあるということでしょう。
しかし「スペースゆう」や「スペースあい」では、将来のためでなく、今、ここで必要なこととして考え、個々のトラブルをとおして、スタッフと子ども達が一緒に考えながら、一定の状況を理解し、高ぶる気持ちをセーブできるように応援しています。
ですからスタッフは、「子ども同士のトラブルこそが学びのチャンス、指導のチャンス」と捉えているようです。
一般的な大人の社会では、「我慢ができたり、ゆずることができたり、相手の想いを優先できる人」のことを、「あの人は大人だね」と言います。
ですから社会が求める、人付き合いのコツの重要な一つは、「相手への理解」でしょう。しかし、私達の現場では、子ども指導としては「トラブルの相手を『理解』させる」ことよりもっと先に大切なのは、先ず本人のことを「理解する」ことだとわかってきました。
「どうしちゃったの?」「そっか。そんなことがあったんだ」「それは辛かったね」などと気持ちを聞いてあげたり、汲んであげたり、認めて、受け止めてということが重要であると、気が付き始めました。
一旦、「ああ、自分のことをわかってくれた」という「受けとめられ」感が必要なのですね。それから、相手の立場や状況を説明していくと、その説明がスーッと心に入り「心の固まりが溶けていく」体験となっていきます。
最近のスペースゆうでは、トラブって、泣いて・・・ということがあっても、スタッフの事後フォローで、にこにこ顔で帰宅する子が多く、スタッフから学ばされることが多々あります。

コミュニケーション力を高める支援

自分のことを人に伝えるように。自分の気持ちを表現できるように応援しています。
謝れない時は、謝り方を練習して、謝れる応援をしています。
車の移動の時は、よく子ども同士で会話を楽しんでいます。
スタッフとの会話、友人との対話を大切にします。
言葉が不明瞭な子がいる時は、スタッフは、よーく本人を観察し、聞き耳を立てて本人が言いたいことをキャッチします。すると、その子は表情を変えて喜びます。意思の疎通感が満たされると表情が変わります。満点の笑顔になります。

自己決定体験の積み重ね

今日は何で遊ぶか。車の移動はどの車に乗るか。行きたいか。行きたくないか。嫌な時は嫌を伝える。選べるおやつの時は自分で選ぶ。駄菓子屋での100円買い物体験は、自分で選び計算する。

  • ○遊びは、人との関わり方を教えてくれます。
  • ○トラブルをとおして、相手の気持ちや感情がわかっていくように応援していきます。

4)脳の力: 特に前頭葉の活性化して、やる気づくり

私達は、子ども達が「良質な睡眠」が得られるように、応援しています。

  • ○良質な睡眠は、前頭葉の働きを良くさせ、たくさんの成長ホルモンが分泌すると言われています。
  • ○前頭葉は、「自分の感情をコントロールする力」「創造的に物事を考え出す能力」「他人の感情を読み取る力」「やる気の力」「意欲の力」「集中力」「我慢する力」などの働きを発揮する、大切な機能だと言われています。
  • ○運動の後の学習は集中力を増し、効果が高いことが証明されています。
  • ○そこで、保護者と相談しながら、朝散歩を推奨しています。
  • ○あの、脳科学者の茂木先生が、こんなことを言っていました。

<笑顔をつくるだけで、実は脳が楽観的になって、よく働くようになるんですね。前頭葉は、やっぱり楽観的じゃないと・・・・うまく働かないということがわかっているんです。とにかく笑って、何が起こるかわからないんだけど、前向きに、効率的に脳を働かせることが大事なんですね>

●「スペースゆう&あい」は、脳の働き、特に前頭葉の働きをよくするために、たくさんの工夫を導入しながら、保護者とともに、子ども達を応援していきます。

施設長紹介

阿部 圭吾(あべ けいご)

スペースゆう施設長

阿部 圭吾(あべ けいご)

赤堀町出身。
個別塾講師、特別支援教育に倣う全寮制校の元教諭。
教諭時代の同志、青栁悠毅(スペースあい施設長)に声をかけられスペースゆうに入職。
約1年後、施設長となる。
(ソーシャルスキル教育)SSEコーディネーター※自社資格 取得。

阿部 圭吾(あべ けいご)
趣味 ドライブ(愛車旧ビートル)、旅行、ベース、料理、あと最近土いじり
特技 スポーツ(雪山/球技/水泳)、英会話、子どもの発想と本気鬼ごっこ
青栁 悠毅(あおやぎ ゆうき)

スペースあい施設長

青栁 悠毅(あおやぎ ゆうき)

みなかみ町出身。
特別支援教育に倣う全寮制校の教諭経験を経て、チャイルドハウスゆうゆう今井寿美枝施設長より河添理論を教授。
スペースあいの開所にともない、スペースゆうを阿部圭吾に。
(ソーシャルスキル教育)SSEコーディネーター※自社資格 取得。

青栁 悠毅(あおやぎ ゆうき)
趣味 ドライブ(愛車旧ミニ)、愛妻&愛娘と遊ぶ、手話、カメラ、釣り
特技 スキー、プログラミング、BBQ、だるまさんがころんだ、洗車後に雨を降らせる